2011年9月23日金曜日

Heron

 マニア向けジャケットシリーズに戻り、と言いつつ、これはプログレか?
しかし、希に売り場ではプログレで売らてたりするので、って事で。
 イギリスの「Heron」の1970年発表のセルフタイトル1st。
完全に、ブリティッシュ・フォーク。田園フォーク、または木漏れ日フォークと言われる作品である。
情報によると、とある農場でのライブ録音との事で、バックまたは曲間に小鳥の鳴き声が聞こえてくる。
が、山育ちの自分が思うには、演奏音と小鳥の鳴き声が同等に聞こえてくるのは、いささか違和感が・・・。
小鳥の鳴き声を後から重ねた・・・なんて事は思いたくないのだが・・・。

 さておき内容は、ライブ録音故か、音のクオリティ、音質はいまいちも、のんびりとしたい時に聴くには最高のアルバム。
半ば、ビートルズっぽい感じをしつつも、それよりダラダラとした感じが何ともいい。
CDでは2枚組大サービス全42曲盤も出ているみたいなので、ブリティッシュ・フォーク好きな方には。是非お薦めの1枚、基2枚?である。
 因みにマニア向けオリジナルアナログLPは、ショップでたまに目にするも、その目が飛び出す事必至価格にて、お買い求めは覚悟の上で。

2011年9月19日月曜日

Osanna


 「イタリアン・プログレッシヴ・ロック・フェスティヴァル 秋の陣2011―夢のまた夢」参加グループ、ラストの6組目、3、4日目登場の「Osanna」。
1973年発表、ユーロプログレ最高傑作の誉れ高き3作目「Palepoli」。
メンバーはギターのDanilo Rustici、ベースのLello Brandi、ドラムスのMassimo Guarino、キーボードのLino Vairett、サックス・フルートElio D'Annaの5人。

内容は、
1曲目「Oro Caldo」。18分強の大作である。始まりは太鼓の音が妖しげに響き呪術的だが、徐々に叙情的な展開に。更に中盤からはヘヴィな演奏になりギターが唸りを上げる。後半はやや静かになるが、前衛的な何とも不思議な展開に。
2曲目の「Stanza Città」は、1分45秒と短いのだが、ある解説では1曲目が11分21秒、この2曲目が9分と。なので1曲目と2曲目を合わせて1曲みたいなものなのだろうが、リリースされる盤によって曲の切れ目が違う時があるのは珍しくない。
3曲目は21分30秒の大作「Animale Senza Respiro」。いわゆるB面1曲のパターンである。前半はやや叙情的に。中盤はジャズ的に展開するも、後半は徐々にヘヴィに。終わったかと思った残り1分、暗めのストリングスがジワジワと始まり、古いイタリア映画のエンディングのような終わり方。このラストの1分は果たして何の意味があるのか・・・。

ライブ当日はオーケストラをバックに、なんて情報もあるのだが、果たしてどんなライブになるのか非常に興味が沸く。

2011年9月18日日曜日

Il Balleto Di Bronzo

 「イタリアン・プログレッシヴ・ロック・フェスティヴァル 秋の陣2011―夢のまた夢」参加グループ5組目、前回に同じく2日目のみ登場の「Il Balleto Di Bronzo」。
イタリアンプログレの名盤と言われる1972年発表の2nd「YS」。
メンバーはギターのLino Ajello、ベースのVito Manzari、ドラムスのGianchi Stringa、そしてリーダー的キーボード・ヴォーカルのGianni Leone。

そんなアルバムの内容は
1曲目の「Intorduzione」、15分強の大作である。入りが妖しげな女性のハイトーンスキャット。そしてオルガンがジワジワと攻めてきて、本編へ突入。マイナー超の暗めで、且つ変拍子の展開は、これぞプログレか。全体にキーボードとドラムスがけたたましく、のっけから力の入る楽曲である。
2曲目の「Primo Incontro」も前曲からの切れ目が無く突入し、更に今度はギターが弾きまくりで、更にけたたましさ増加。終盤、チェンバロで少し癒されながら・・・。
と思った矢先、3曲目の「Secondo Incontro」もやはり、けたたましい。
4曲目の「Terzo Incontro」も全曲からの切れ目無く、けたたましさも引き継ぎつつ突入。
そしてラスト5曲目「Epilogo」は11分半の大作。けたたましさは相変わらずだが、それでも途中静かになったりとメリハリ、更には前衛的な展開もあり楽しめる1曲である。

全体的にイタリアらしい叙情的な展開よりも、細めのハイトーンヴォーカルとヘヴィな演奏が印象的。
当時のハードさとスリリングさが、いかに表現されるのかがライブ当日は注目である。

2011年9月16日金曜日

arti & mestieri

「イタリアン・プログレッシヴ・ロック・フェスティヴァル 秋の陣2011―夢のまた夢」参加グループ4組目、2日目のみ登場の「arti & mestieri」。
その1974年発表のファースト「tilt」。
メンバーはギターのGigi Venegoni、ベースのMarco Gallesi、ドラムのFurio Chirico、ヴァイオリン、パーカッションのGiovanni Vigliar、そしてフォンのArturo Vitale。
気付いていると思うが、前回紹介した「The Trip」と同じドラマー。そんなFurio ChiricoとギターのGigi Venegoniが中心となって作ったグループである。
こちらのFurio Chirico、半ばしつこいくらいに生き生きと、とにかく叩きまくり。
「これをやりたかった」感が感じられるのだが、手数多すぎ感も。

そんなアルバムの内容は、
1曲目「Gravitia 9.81」。ファースト1曲目のご挨拶だが、これが絶品!
これぞジャズロックと言わんばかりに、技巧とスリリングの入り交じり。全てのパートにおいて楽しめる名曲である。
その流れで、以後8曲、全体で1曲と思わせるほどに纏まりがあり、イタリアンプログレの傑作の1枚かと。
当然「Gravitia 9.81」は、ライブ当日に、それも1曲目で演奏されるであろう曲だと思うのだが、Furio Chiricoが当時のごとく手数が多い事、Gigi VenegoniとGiovanni Vigliarの指がしっかり動く事を切に願いたい・・・は、無理か?

2011年9月14日水曜日

The Trip


 「イタリアン・プログレッシヴ・ロック・フェスティヴァル 秋の陣2011―夢のまた夢」参加グループ3組目。
1日目のみ登場の「The Trip」。
ベースとヴォーカルのArvid "WEGG" Andersen、ドラムのFurio Chirico、キーボードとヴォーカルのJoe Vescoviのトリオ。故かEL&Pと比較される事の多いグループだが、それをメロディアス且つジャズ寄りにしたような感じ。テクニック的には、間違いなく「The Trip」の方が上かと。

そんなグループの'73年発表の4作目にしてラストアルバム「Time of Change」。
1曲目の「Rhapsodia」は、20分を超える、LPでいうとA面1曲のプログレらしい?大作である。けたたましい程のハードな面と、静かでメロディアス、更にはユーモアも持ち合わせた非常に楽しめる1曲である。
2曲目「Formula Nova」は、ピアノとムーグを使い分け、ジャズっぽくもあり、ロックのハードさもあり。なにせせわしない。
3曲目「De Sensibus」は、パーカッションをカラコロ、シャリーンと前衛的。
4曲目「Corale」、ヴォーカルがメインのメロディアスな1曲。高音の声がチョッとYes的。
ラスト5曲目「Ad Libitum」はピアノソロで、完全にジャズ的。これが〆の曲っていうのもいかがなものかと思うのだが、ラストアルバムのラストの曲と思うと、どこか寂しげである。

2011年9月13日火曜日

Goblin

 イタリアン・プログレッシヴ・ロック・フェスティヴァル 秋の陣2011―夢のまた夢」参加グループ2組目。
1日目、2日目に登場する「Goblin」。
映画ファンには「サスペリア」のサントラでもお馴染みかと。

そんなグループの’76年発表の傑作の誉れ高き第二作「Roller」。
メンバーはギターのMassimo Morante、ベースのFabio Pignatelli、ドラムスのAgostino Marangolo、キーボードはClaudio SimonettiとMaurizio Guariniの二人の計5人からなる。

アルバムの内容は、全曲キーボード中心のインストロメンタルで、叙情的ジャズロック。
キーボード中心とは言いながら、他のパートも技巧的で完成度が高い。
中でも5曲目の「Goblin」。グループ名をタイトルにするぐらいだから、おそらく代表曲であろう。
この11分強の大作が、いい!
どのパートも聞き所が十分で、傑作の一曲かと。

来たるライブで、この曲を演奏する事を期待する。で、観たい!

2011年9月12日月曜日

PFM

 マニア向けジャケットシリーズを暫し休憩して、マニア向けライブ情報をチョッと。

 なにやら、11月4日から4日間、「イタリアン・プログレッシヴ・ロック・フェスティヴァル 秋の陣2011―夢のまた夢」なる企画が、神奈川のとある大型ライブハウスで開催されるらしい。
 って事で、参加するグループを紹介。

と、その前に、いつもの事ながら下世話な話だが、このイベントの拝観料金、一番良い席で1日目と2日目が14,800円、更に3日目と4日目が17,800円、って。
参加する6グループが入れ替わり立ち替わりで登場するらしい。全グループを観るには、47,400円!
自分もお金に余裕があったら観たのだが・・・。
全てオリジナルメンバーで登場するのは年齢的等々で微妙だが、70年代のイタリアンプログレが好きな方には涙ものの面々。これを逃したら、一生観れないかも・・・。(なんか宣伝ぽくなってしまった)。
観に行く予定の方には、金額が金額だけに、ある意味「外した〜。」と、ならない事を願うばかりである。

 で、その1グループ目。
1、3、4日目に登場するイタリアンプログレの重鎮「Premiata Forneria Marconi」、通称「PFM」。
先日、野音でライブを行ったばかりだが、再びの登場である。
 で、紹介するアルバムは、別サイトでも紹介した1972年発表のPFM名義の1st「Storia Di Un Minuto」を転載。
程良い重さと、程良い明るさ、更には芸術性を持ち合わせた超絶技巧。
1stにして、どこをとっても文句の付けようの無いこのクオリティーの高さは圧巻の一言。

内容は1曲「Introduzione」。フェードインしながらジワジワと音数が増え、
2曲目「Impressioni Di Settembre」で徐々に盛り上がり、
3曲目「E' Festa」で曲調が一変、ドカーン!今でもライブで必ず演奏される名曲である。
4曲目「Dove...Quando...(Parte I)」は、また一変してアコースティックな叙情的雰囲気に。
5曲目「Dove...Quando...(Parte II)」再び盛り上がり。
6曲目「La Carrozza Di Hans」いきなり語りから入り、静かに進んで行くも、後半またも盛り上がり。
そしてラスト7曲目「Grazie Davvero」入りは静かに、も徐々に壮大な展開に。そしてラストは静か〜に。

転調、変拍子がこれだけ自然に感じられるアルバムは無いと思う程心地よく、1枚を通して聴いた後にまるで物語を語られた様な気に陥る傑作。

2011年9月2日金曜日

Emerson, Lake & Palmer


 マニア向けジャケット、なのかは微妙だが、今更ながらの初登場、元祖アイドル系プログレ?「Emerson, Lake & Palmer」。
1973年発表の5作目の「Brain Salad Surgery」、邦題「恐怖の頭脳改革」と、そのまんま。

 ジャケットデザインは、プログレファンより、もしかしたらメタル系の方、さらには映画「エイリアン」のファンにはお馴染みの「H.R.ギーガー」。
で、こちらのジャケットデザインの原画が、なにやら盗難にあって行方不明との事。
って事は、ある意味間違いなくマニア向けである。昨年までは高額の懸賞金を提示して捜索しているみたいだが、見つかったのだろうか・・・?
万が一、日本で見かけた日にゃ、是非一報を!

そんなアルバムの内容は、好きか?と問われれば、我微妙にて、あえて割愛。
ギターレスのキーボード中心プログレ入門編としてお薦めの一枚って事でとりあえず。