2011年8月13日土曜日

Dark


 マニア向けジャケットシリーズ第9弾。
ここにきて、超〜〜〜マニアックな一枚!
イギリスの「Dark」、1972年発表の唯一作「Round The Edges」。ジャケットはグループ名の通り暗い・・・。
ブリティッシュ・ロック系では、おそらく今一番のレア度かも。
そんなオリジナルは自主制作にて、その数、本当か嘘か12枚とか。コレクターズもお手上げの極少。
ハードロックとして紹介されている場合も多いが、あえて自分はプログレとしてここで。
 当然、そのオリジナルなど目にしたことはないし、日本にその一枚が存在するのかも皆無。
しかしジャケットデザインだけはプログレファンなら一度目にした事があるのではないだろうか?
 CDとして再発される現在は、音源もオリジナルに比べたら安価で簡単に入手できるので、改めて便利な世の中になったと。
実際、今のデジタル時代でなければ、絶対に聞く事の出来ない一枚である。
そんな有名絵画並の逸品、オリジナルを「一度聴いてみたい」ではなく、「一度見てみたい」ものである。

 で、曲の内容は、全体にサイケ調ブルース。自主制作盤故か、正直’70年代にしては少し古くささを感じさせる曲調だが、逆に’60年代のブリティッシュ・サイケの好きなか方にはお薦めの一枚かと。
 それを念頭に置き聴いてみると、決してジャケットデザイン負けしない内容。
インプロ的ながら、途中攻撃的なプログレ色を臭わせる。1曲目の「Darkside」、どことなくLed Zeppelin風フレーズ、更にはPink Floydに影響されてか「Your Eyes See The Darkside Of The Moon・・・」という歌詞が登場するはご愛敬。
そんな中でも8分強の3曲目「Live For Today」は、プログレファンにも頷ける一曲と。
と、いうことでこのアルバムはプログレ・・・なの?

2011年8月12日金曜日

Flower Travellin' Band


 先日の8月7日、ジョー山中氏が逝ってしまいました。
追悼の意を込めましてアルバムを紹介します。

 「Flower Travellin' Band」、1970年発表の記念すべき1st「Anywhere」。
 ジョー山中氏といえば、1977年の映画「人間の証明」のテーマ曲で周知となったが、それより7年前に発表したこちらの作品、日本のプログレッシブロックの魁と言っていいアルバムと。
日本より海外での評価が高い数少ないグループで、当時の日本では、少し早すぎたのかも・・・。

 そんな当アルバムの内容は、ブルース色の強いサイケハード。
1曲目とラストの6曲目の「Anywhere」というブルースハープの曲で以下を挟むようにした作品。
2曲目の「Lousiana Blues」は、ブルースの父、マディ・ウォーターズのカバー。それを16分近い大作に仕上げ、プログレ色も取り入れて聴き応え充分。
3曲目の「Black Sabbath」は、タイトル通りのカバー。
4曲目の「House Of Rising Sun」、誰もが聴いたことがあるアメリカのトラッド・フォークの名曲をカバー。
5曲目は「21st Century Schizoid Man」、そうKing Crimsonのそれのカバーである。本物を超えることは出来ないが、これはこれでスリリング。結構楽しめる。
殆どがカバー曲だが、原曲と聞き比べても楽しめる一枚かと。

合掌。

2011年8月10日水曜日

Quatermass

 マニア向けジャケットシリーズ第8弾。
イギリスの「Quatermass」、1970年発表のセルフタイトルで唯一作。
ジャケットデザインは、再び登場のヒプノシス。

 キーボードメインの基本トリオで、途中ストリングス系を入れたりと、それなりに厚みのある音に仕上がっている。
メンバーはベース・ヴォーカルが「John Gustafson」、キーボード「Pete Robinson」、ドラムの「Mick Underwood」の三人。
その中心「Pete Robinson」はグループ解散後、SUN TREADER〜BRAND Xと渡り歩く。

 そんなアルバムの内容は、
1曲目の「Entropy」こそ静かに、いかにもプログレらしく始まるが、
2曲目「Black Sheep of the Family」はいきなりハードに。ヴォーカルが古き良きブリティッシュ・ハードロック的。
3曲目「Post War Saturday Echo」も同様。
4曲目「Good Lord Knows」。メロディアスな佳作。
5曲目「Up on the Ground」、これは完全にハードロック!
6曲目「Gemini」も同じく。
7曲目「Make up Your Mind」、プログレ風。
8曲目〜9曲目「Laughin Tackle〜Entropy」、インストだからそう思うのか、最後にやっとプログレらしい曲が。オーケストラを取り入れたスケールの大きい11分余りの力作にて必聴!

 全体的にはブルース系ハードロックの感が否めないものの、まあまあの作品かと。
’70年代ブリティッシュ・ハードロックが好きな方にはお薦めの一枚。
しかし、ショップの売り場はプログレカテゴリーにて。

2011年8月5日金曜日

Yes

 マニア向けジャケットかは微妙だが、前回名前を出したので、せっかくだから別枠からのRe-Up。

Yesの1972年発表の4枚目「Fragile」邦題「こわれもの」。
ロジャー・ディーンのYesジャケットデザイン1作目である。

言わずと知れた、シンフォニック系プログレの、もはや神的存在として君臨。
曲のオリジナリティ、構成、演奏テクニック更にはヴォーカルハーモニーに至るまで全てにおいて最高峰。

3作目の「The Yes Album」と5作目の「Close To The Edge」の3枚がYesの傑作と言われており、
とあるサイトでは20枚近くアルバムが出ているのにも関わらず「この3枚だけあればいい」と言ってるほど。
でも、なんか分かる・・・。

そんなアルバムの内容は、
1曲目「Roundabout」とラスト9曲目「Heart Of The Sunrise」のYesを語る上で絶対に外せないパウンドで
4曲目「South Side Of The Sky」の肉を挟み、その間に1〜3分のピクルスやらレタスやら・・・って感じのハンバーガーの様な1枚・・・?
いずれにせよ傑作アルバムであることは間違いなく、プログレを語る上では外せない一枚かと。

2011年8月4日木曜日

Earth and Fire

 マニア向けジャケットシリーズ第六弾は、またも別枠からのRe-Up。

オランダの「Earth and Fire」。1970年のセルフタイトル1stアルバム。
ジャケットデザインはプログレファン、Yesファンでお馴染みのロジャー・ディーン。
そのYesよりも前にデザインした当人確かジャケットとしては2作目がこちらのデザイン。
こちらのオリジナルは何やら仕掛けがあるそうで・・・。
またまた下世話な話だが、そのオリジナルアナログ盤は7〜8万円で取引きされてるとか。

 そんな内容はと言うと、これがいい!
全体的に曲のハズレ無し。中でも「Love Quiver」、これはかっこいい!
間奏のオルガンは、これぞ70年代の音でオジさん大喜び必至!
どうしても女性ヴォーカルだと演奏陣が負けてるバンドが多いのだが、こちらはヴォーカルが前に出すぎず、決してバックバンド的ではない。
とか言いながら、この頃のジャーネイ・カーグマン(ヴォーカル)は結構かわいい・・・失礼。

プログレ色は少ないものの、ジャケットを上まわる作品なのではと、勝手に。

2011年8月3日水曜日

Dando Shaft

 マニア向けジャケットシリーズ第五弾。
またもやNeonレーベルから「Dando Shaft」。1971年発表の2作目、だけどセルフタイトルアルバム。
ジャケットデザインは、またまたキーフ!
知ってる方も多いと思うがNeonレーベルからは、たった11作しかアルバムが出てない。
その殆どがキーフのデザイン。って事もあり、オリジナルアナログ盤はマニア垂涎のレア・アイテムとなっている。

 さておき、そんなアルバムの内容は、5分に満たない短い曲を15曲集めた、一般的なプログレらしさは少ないものの、これがなかなかいい!
全体にメジャーコード主体で一聴明るめだが、どこか翳りがあり、これぞブリティッシュ・フォークと。
更には女性ヴォーカル「ポリー・ボルトン」の声も相俟って、何とも味わい深い作品に仕上がっている。
前回同様、これもまた決してジャケット負けしない1枚かと。